ストレングストレーナーとは?~アスリートの“強さ”を支える仕事~

「ストレングストレーナー」と聞いて、ピンと来る人は少ないかもしれない。一般的な認知度があまり高くない理由、それはアスリートを対象としてサポートにあたる職業だからだ。逆を言えば、トップクラスの成績や安定した活躍を求める人たちにとっては強力なパートナーと言える。

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ストレングストレーナーとは

そもそもストレングストレーナーは5つに大別されるトレーナーの一つ。それぞれが独立した職域を持つというよりも、何を主眼に置いて指導するかや、対象となる人―怪我をしている人なのかしていない人なのか、など―が少しずつ異なる。トレーナーのなかには一般の方を対象にしている人も多くいるが、今回紹介するストレングストレーナーはその点が大きく異なる。

 呼称にある“ストレングス”とは、「強さ」や「力」という意味。アスリートを対象にパフォーマンスを向上させることを目的にアプローチする。身体を鍛えればすなわち強くなると思いがちだが、やればやるほどいいとは限らず、オーバートレーニングや個々の癖などによる障害予防も念頭に置く必要がある。何より大事なときに良いコンディションで試合や大会に臨めるように計画的に導くことが求められる。

 主な活動の場は、プロスポーツチームや実業団、また大学のような教育機関や体育館のような公共機関で学生や施設利用者を対象にするケースもある。あくまで目線はプロアスリートのフェーズで、競技活動が生業となるようめざしサポートしていく。

ストレングストレーナーに資格は必要?

ストレングスコーチに限ったことではないが、資格もとより経験の積み重ねがものを言う世界。まずどこかしらのチームや施設に採用されることがスタートになる。雇ってもらえるようにするには、体育系の大学や専門学校を卒業していることが望ましい。在学中に実習や部活動の帯同などを通じて実践を積むこともできるだろう。

 就職してはじめのうちは、特に“ストレングス”と限らずにスポーツトレーナーとして活動する方が一般的だ。実務の中で、学校では学びきれなかった現場ならではのノウハウや迅速な判断力などを磨いていく。そうした経験を礎に、さらに専門知識を学び、資格を取得してステップアップする場合が大半となる。

 具体的な資格としては、NSCA主催のCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)やNSPAによる公認パーソナルトレーナー、特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)が発行する「認定トレーニング指導者」という資格もある。ストレングスコーチ専用の国家資格や免許があるわけではないが、指導を受ける側の身体に関わる立場として、何らかの資格を手にすることが士気を高めることにもなるだろう。

ストレングストレーナーの気になる年収事情

そもそもスポーツ業界自体、誰もが潤沢に稼げるわけではない、ということは耳にしたことがあるかもしれないが、ストレングストレーナーも例に漏れず、初任給は20~25万円程度と言われている。年収は300万円ほどの環境から、中には1,000万円ほど稼ぐような人まで、ばらつきがあるのが実情だ。狭き門をくぐりプロスポーツチームや有名アスリートと契約することができれば、ネームバリューが一気に上がり、仮にそれが単年契約であっても次の仕事に繋がりやすい。波に乗るまで緻密な努力を重ねるしかないだろう。

ストレングストレーナーの第一歩を踏み出そう

ストレングストレーナーになるには、前提としてボディメカニクス(身体の構造や運動の原理)や、障害・疾病に関する知識を身につけなければならず、資格や希望通りの就職というハードルを含めると必ずしも道は平たんとは言えない。

ただアスリート同様、常なる向上心が試されているとも言えるし、あるいは感情や気分に惑わされず冷静に目の前のやるべきことをやる…つまりトレーナーとして必須の能力の訓練とも言える。少しでも興味を持った人は、今日から少しずつ、自分なりのスタートを切ってみよう。

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