タバタ式トレーニングで強くなれ!世界に知られるトレーニングの定義と理論

2020年は突然のコロナ禍も相まって自宅でのトレーニング需要が高まった。それに応じて様々なトレーニング法を紹介する動画が配信されたほか、テレビや雑誌などでも限られたスペース・道具でできるエクササイズを目にした人も多いだろう。

こうして広まるトレーニング理論やメソッドには少なからず流行りすたりがあるが、何年も前から今に至るまで多くのフィットネス関係者に認知されているのが「タバタ式トレーニング」だ。今日はこれについて概論を学んでみよう。

タバタ式トレーニングとは?

そもそも”タバタ”とは、立命館教授の田畑泉氏の名前に由来する。元々は80~90年代の日本スピードスケート界でナショナルチームのヘッドコーチであった入澤孝一氏が選手たちの強化に導入していたトレーニング。このトレーニングを運動生理学的側面から分析し、効果の理論的実証を行い論文をまとめたのが田畑泉氏であった。こうして成立したトレーニング方法は「タバタ式トレーニング(タバタ・プロトコル、タバタトレーニング)」と呼ばれ、周知されているようになったのだ。定義としては下記のようになる。

“タバタトレーニングでは、20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットで疲労困憊に至る間欠運動を行います。8セット=4分間と聞くと、「そんな短時間で効果があるの?」と感じるかもしれません。しかし、田畑教授の研究の結果、4分間の間欠運動によって、大多数の人が「有酸素性エネルギー」も「無酸素性エネルギー」も、同時にかつ、最大に刺激されるということが証明されています。タバタトレーニングは、短時間で2つのエネルギー供給機構を同時に鍛えることができる、超効率的トレーニングプログラムなのです!!” 

立命館大学 学園通信より(http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/tokushu/151106/

心肺機能、持久力の向上の観点からパフォーマンスアップを目的に実践しているアスリートも多いが、ダイエット効果があることから一般にも広く知れ渡るようになった。

ただ、実のところ人気に火が付いたきっかけは、国内ではなく、アメリカ西海岸に住むとある筋トレマニアが話題にしたことである。それが仲間内で次々と広がり、東海岸の若い医師たちの耳にまで入るほど口コミが拡散。その後、フィットネス雑誌で紹介され、ヨーロッパやロシア、ブラジルなどへと一気に広がったと言われている。

タバタ式トレーニングで効果が出る理由とは?

タバタ式を理解する上で知っておく必要のあるのが、運動を大きく分けた際の2種類だ。

無酸素運動…ダッシュなどの全力で動く運動のこと。呼吸により取り込まれた酸素と、炭水化物(お米や麺など)から分解された糖分をエネルギー源として、動作を行う。

有酸素運動…ランニングのように長時間動き続ける運動のこと。呼吸により取り込まれた酸素と、体内の糖分と脂質が結合したものとでエネルギーを生成し、動作を維持継続する。

タバタ式トレーニングの種目は無酸素運動だが、セット数が増えるごとに呼吸が乱れて酸素が取り込みづらくなり、糖分のエネルギー供給が間に合わないことで強制的に脂質をエネルギーに導入させることができる。次第に有酸素運動の要素が加わることが脂肪の燃焼を助け、ダイエットにも効果があるというわけだ。

ほかのトレーニング法との違いとは?

トレーニングに詳しい方の中には、似たトレーニングとして「HIT(High Intensity Interval Training)」を思い浮かべる人もいるかもしれない。こちらも高強度で一定の休憩時間を取るトレーニングを意味するからだ。

確かにHIITもタバタ式トレーニングも似ているように捉えられるが、1番の違いは「明確性」にある。HIITは理論であり、運動方法に明確な時間は決まっていない。タバタ式トレーニングはHIITの理論に基づき開発されたトレーニング方法ではあるものの、運動中の時間が明確に決められてる。

すなわち、HITの考え方に基づいた具体的なトレーニング方法はいくつも存在し、その一つとして、はっきりプロトコルを示したのが「タバタ式トレーニング」というわけだ。

タバタ式トレーニング、こんな人にもおすすめ

見てきたように、タバタ式トレーニングのメインの運動時間はたった4分で完結する。アスリートに限らず、「ジムに行く暇が無い」「仕事や勉強で時間が作れない」などといった課題を抱えている人にとっても、短時間の集中した運動で効果を期待することができる。

続かない・飽きてしまうといったことも避けやすいだろう。加えて心肺機能や持久力の向上にも役立つと期待できるので、「外を走るには暑すぎる/寒すぎる」「雨が続いてるけどパフォーマンスは落としたくない…」といったランナーにも実践がおすすめだ。

もっとも、タバタ式トレーニングは決まり切ったパターンがあるようなトレーニングではない。20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットというメカニズムを指すため、どんなトレーニングでも対応できる。そうしたフレキシブルな点も味方に、有効に活用しよう。

理論を学ぶと実践が充実する!

トレーニングを始めたばかりの人や、「なんとなく」で選んで続けてきた人にとっては、「なぜトレーニングが自分の身体に効くのか」「AとBのトレーニングの違いは何なのか」といったことにあまり頭を巡らせなかったかもしれない。

もちろんそれでもトレーニングは続くかもしれないし、変化も少しずつ見られるかもしれないが、理論を学ぶことは必ずそこへポジティブな効果を加える。自分の行っている動作やメニューの役割や身体に効果が出るまでのメカニズムを意識するだけで、ちょっとした動きや追い込みが変わってくるからだ。

一見面倒くさく感じてしまうかもしれないが、ぜひ今後のトレーニングではそうしたところも意識してみるといいだろう。