数あるスポーツの中で、サッカーを経験したり観戦に出かけたりしたことがある人は多いだろう。仮に選手になる道が閉ざされた後でも、「サッカーに携わりたい」と思う気持ちはどこかにあるかもしれない。実のところ、選手やフロントスタッフのような頻繁に目にする立ち位置に限らず、「サッカーに関わる」チャンスは点在している。狙うべきはどこだろうか?本記事では、サッカーに関わる仕事に就くためのステップやその先どのような将来が待ち構えているのかについて解説していく。
サッカーに関わる仕事の種類
サッカーに関わる仕事は主に、「クラブ運営・試合興行に関わる仕事」「競技指導やジャッジメントに関わる仕事」「選手のケアやサポートに関わる仕事」「サッカー用品の開発や販売に関わる仕事」そして「取材・報道に関わる仕事」が挙げられる。それぞれの仕事内容は下記の通りだ。
・クラブ運営・試合興行に関わる仕事…
プロ・アマチュアに限らず、チームを運営するには活動や経営面を管理・推進できるスタッフが必要になる。また仮にチームの存在や試合等を周知しようとすると、広報活動が絡むことから、クラブは広告代理店やPR会社と一緒に方向性やクリエイティブ、掲出箇所等を詰めていくこととなる。プロの試合ともなると試合運営には数百人のスタッフが必要で、外注を受けたイベント会社は全体マニュアルに沿って当日の進行をマネジメントする。
・競技指導やジャッジメントに関わる仕事…スクール運営、コーチ、審判 etc
・選手のケアやサポートに関わる仕事…トレーナー、栄養士etc
・サッカー用品の開発や販売に関わる仕事…スポーツメーカー、販売員 etc
・取材・報道に関わる仕事…スポーツカメラマン・ライター、ディレクター、作家 etc
サッカーに関わる仕事に就くまでのステップ
前項で見たように「サッカーに関わる仕事」は様々で、ついては求められる知識や経験は異なる。スポーツメーカーや広告代理店といったキャリアは四年制大学を卒業していることが暗黙の了解だが、クラブスタッフやスクール事業のような場合はそうとは限らない。
国内にもスポーツ業界への就職をスコープとした専門学校が多く存在するほか、仮に学校がそうしたところでなくても、JFA(日本サッカー協会)が取りまとめる指導者ライセンスや審判資格を取得すれば、アルバイト等で実務経験をスタートさせられることもあり、可能性は少なからず広がる。
現実としてクラブ運営や試合興行に関わる人の中には、新卒で全く別の会社に入り、自身の強みや経験値を伸ばしたうえで中途社員として携わり始める人も多い。
新卒ですぐにサッカー業界に携わるのがいいのか、ゆくゆく現場で求められる経験やスキル―イベント企画、営業、マネジメント、クリエイティブ制作など―をじっくり積んでから参入するのがいいのか…正解は無いが、各々でめざす将来像を見定めたうえで逆算したキャリアプランが必要になるだろう。
また、直近では、就活塾や勉強会などが多くのスポーツ関連機関で開催されいるため、明確にキャリアプランやmそもそもどんな仕事につくかまだ決めきれていない方は、そういった機会を見つけて参加してみてはいかがだろう?
今からやっておきたいインプットとアウトプット
サッカーの仕事に限ったことではないが、いくら競技への愛着や知識があっても、ビジネスの世界で活躍できるとは限らない。プレーヤーとして長く経験を積んできた人が多い現実は否めないが、殊にこれからは利益感覚に優れ、単に「面白い」「その時だけ良くなる」にとどまらず中長期的なマネタイズが見込める人材そして企画が求められていくだろう。よって、もしこれからサッカーを仕事にしようと考えている人には、次のような着眼点でのインプットやアクションを期待したい。
・ビジネスの基礎…
サッカーを何らかの形で事業化し成り立たせるには、競技以前にビジネスの基礎基本をわかっていなければならない。「自分は既存の組織に入るだけだし」と思うかもしれないが、一担当者であれ、アンテナを常に高く張り、最終的に儲かるプロセスへと導かなければならない。仕事を始めるとどうしても目の前のタスクに追われがちなため、基礎となる考え方や用語は早めに押さえておこう。
・業界動向へのキャッチアップ…
一度学んで終わりじゃない、競合の動きや世論を受けたトレンドの変化、海外の動きや国内参入の動きなど注意深くキャッチアップ&「じゃぁどうするか」の打ち手を常に考えられるようにしておきましょう。
・インターン・アルバイト経験…
インターンやアルバイトとはいえど、業務の中で関わりがあると、ネット上では拾うことができない情報が取得できるなど、まさしく百聞は一見にしかずといった環境を得ることができます。
例)川崎フロンターレ(J1)
自分が納得できる情報を元に判断をして、最良のキャリア形成を!
本記事では、サッカーに関わる仕事にはどのような種類があるか、またはどのようなステップを経ることが望ましいかなど説明した。もちろん全てに当てはまるわけではないが、少しでも意思決定の参考になれば幸いである。
実際にサッカーだけでなく、スポーツに関する仕事の情報というのは、業界特性上、表に出にくく、情報の収集が難しい部分が多い。したがって、自らが身を投じて一次情報を得に行くことが、最良の判断を実施する上で非常に重要とも言える。また、真剣に考えるので当然のように行動するだろう。実際にスポーツ業界で働いている人を見ると、おおよそは事前に行動し情報を集約して、判断をしている人が多い。
皆さんも、これをきっかけに行動を起こしてみてはどうだろうか?