アスレチックトレーナーと理学療法士の二択に迫る!給与、キャリアアップ、将来性はいかに!?

将来について考える中で、アスレチックトレーナーを始めとするトレーナー職を視野に入れている人のなかには、「理学療法士」とどちらがいいのだろうか?と迷ったことがあるかもしれない。

「ぶっちゃけ稼げればどっちでも」なんて本音も聞こえてきそうだ。ただ遠からずとはいえ、両者にははっきりとした違いがあり、めざす方向性によっては適切な解が存在する。今日はその見極めをしていこう。

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スポーツトレーナーと理学療法士の違い

そもそもトレーナーと理学療法士では、何がどう違うのだろうか?まずはっきりとした違いがあるのは、「国家資格」・「医療的資格」であるかというところである。トレーナーは他でも触れているように資格が無くても名乗ることができるが、「理学療法士」と名乗れるのは試験に合格して国家資格を取得した人のみなのだ。

すなわち、理学療法士として働きながらスポーツに対する知見やリハビリテーションのノウハウを身に着けて「スポーツトレーナー」として活動することは可能なものの、その逆は成立しないということでもある。

トレーナーについても民間資格は整備されてきており、日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナーやジャパン・アスレチック・トレーナーズ協会認定の資格を取得することで、第三者の信頼をより得やすく、ひいては採用にも有利な実情はある。

ただ、理学療法士の場合、医師の指示があれば医療行為も行うことができ、一般的なトレーナーが行うようなケアやサポートに加えて、治療への介入も幅が広がるのは大きな強みと言えるだろう。

アスレチックトレーナー・理学療法士の待遇や給与のリアル

前項でアスレチックトレーナーの民間資格について触れたが、現場で活躍する人を見ると複数の資格所有者も多いことがわかるだろう。例えば主だったものに以下の資格がある。

・はり師、きゅう師
・あん摩マッサージ指圧師
・教員免許
・理学療法士
・柔道整復師
・NSCA-CPT
・NSCA-CSCS
・健康運動指導士
・NATA-BOC公認ATC

こうした資格を持つ人の中には、施術所や医療機関、学校などでそのほかの仕事をしながら、ボランティアでトレーナー活動を行う人もいる。それは暗に、トレーナーを常駐あるいは試合帯同させることがまだまだ普遍的とは言い切れないことの表れかもしれない。

その反面、国民大会や国際大会、日本代表クラスのアスリートに帯同した人も出てきており、その実績を強みに年収を格段に上げることへ成功した人もいる。プロチームと契約できると年収1,000万円程度を見込めるとも言われており、そこから先はいかに結果を出し、翌年の契約を勝ち取るかがカギとなるだろう。いずれにしても、トレーナー需要が今後のより良い待遇に繋がるよう期待するに尽きる。

 一方の理学療法士の場合、スポーツの現場以外にも医療機関や介護施設での需要が高いことから、就職先に困るということはそこまでないかもしれない。ただ年収について紐解くと、400万円ほどと、国家資格を持っているからと言って高い給与が見込めるとは言い切れない。理学療法士に限ったことではないが、こうした水準がなかなか上がらない点は、昨今課題視されていることの一つだ。

役職につくことでの昇給もなかなか難しいとは言われているが、例えば専門学校や大学の教員を引き受けたり、医療系メーカーなど企業に勤めたりすると、給与水準の向上も望める。何をしてどこまで稼ぎたいか、これからめざす人はビジョンを少しずつ明確にするといいだろう。

キャリアアップや転身の選択肢、その可能性

 さてキャリアプランについて考えると、日本でスポーツトレーナーとして仕事をする場合、一度フィットネスクラブや整体院に就職する必要があるだろう。そこで経験と実績を積んだ後、施設が提携している大学や社会人などのスポーツチームへ派遣されて仕事をするケースが多いと言えるからだ。また、それまでの勤務先で地道に磨いてきたキャリアやノウハウがある分、プロの現場でスポーツトレーナーとして仕事をするにも有利に働くことが期待できる。

 2021年夏に東京オリンピックが開催されれば、日本のスポーツ業界全体がますます盛り上がる。各スポーツのレベルアップが求められる今、スポーツトレーナーの求人も増えていくことだろう。仮にすぐには関係が無かったとしても、スポーツトレーナーの将来性がオリンピックを機に広がっていくことにも期待だ。

 従来はトレーナーというと男性のイメージが先行したが、女性がスポーツトレーナーとして仕事をする機会も増えてきている。スポーツトレーナーは実力があれば、スポーツ経験の有無や性別に関係なく仕事ができる。今後は、女性アスリートに対し、同性の視点からサポートをする女性スポーツトレーナーが増えることも考えられるだろう。

理学療法士についても、高齢化が進むにつれ、リハビリを必要とする高齢者が増加していることが追い風となっている。介護が必要な状態に至る手前で身体機能の低下を防ぐリハビリ、さらに日常生活において困難な動作が出てからも、機能回復を中長期的にめざす訪問リハビリなどが次第に広まっており、理学療法士へのニーズは高まるばかりだ。

また、スポーツ分野でも、理学療法の手法を取り入れたケガの応急処置やコンディショニングに目を向けるチームや選手が徐々に増えており、理学療法士の新たな活躍の舞台として期待されている。

活躍のチャンスは大いにある。めざす将来像を考えよう

見てきたように、誰にでも当てはまる「どちらがいい」「どちらが有利」はなく、あくまでめざすポジションやフィールドに応じて、どのキャリアステップが最適かを見出す作業が肝となる。

スポーツの盛り上がりや本格化する高齢化が就職やキャリアアップの契機になることもあるだろう。自身で気になったことについてより深く調べるのはもちろん、実際に現場に出ているトレーナーや理学療法士に話を聞くことも大いに役に立つ。積極的にアクションを起こしてみよう。

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