どう違う?スポーツトレーナーと理学療法士の仕事と4つのポイント

スポーツに携わる仕事の中でも近年注目が高い職業が、「スポーツトレーナー」だ。アスリートの活躍に貢献できたり、有名トレーナーとしてメディアに出たり…。

ただ、いざ調べてみると「トレーナーは資格がいらない」と見る一方で、「理学療法士を取得しトレーナーとして活動している」というパターンも多いことに気が付くはずだ。理学療法士とは、日本の国家資格・・・果たしてどういうことなのでしょうか?

スポーツトレーナーの仕事とは?

そもそもスポーツトレーナーの仕事は、そのトレーナーがどんな資格や知識、バックグラウンドを持っているか、そして対象となるアスリート等がどんなサポートやケアを求めているかで大きく変わります。

競技力を維持向上させること、そのためのトレーニングメニューを立案したり日常生活へ助言したりすることこそ共通しているものの、アプローチの仕方はトレーナーそれぞれです。

例えば痛みや怪我・障害に対する治療として、薬の服用を選択する人もいれば鍼を用いる人もいるかもしれない。疲労回復に向けたケアにしても、選手のニーズや自身の役割を踏まえながら、トレーナー各々がベストと思うものを提案して施すことになります。

どれがいい、AよりBがいい、ということは一概には言えず、「誰に」「いつ」「どんな状態の時に」「何を提案し」「何を施すか」をいかに迅速に見極めてサポートするかがトレーナーにとって腕の見せ所になります。

選手に関わる指導者はもちろん、関連する医療従事者とも連携を図りながら、心身がより良い状態に必要なサポートを考えていく必要があります。

怪我や痛みへの応急処置やリハビリテーション、テーピング法のほか、マッサージや鍼灸、栄養管理などについて後から学ぶトレーナーも多いです。

勤務については、チームのクラブハウスなどがあればそこに常駐しているケースもありうるが、地域の病院・整骨院、トレーニング施設等で仕事をしながら、練習・試合のスケジュールに応じて現場に足を運ぶ兼任のスタイルも多く見られます。

理学療法士の仕事とは?

理学療法士とは国家資格のひとつで、病気や怪我などによって運動するための機能が低下した人へ、運動機能の維持や改善を行う専門家です。

スポーツ中はもちろん、日常生活を送るうえで不都合になる動作の制限や痛みなどに対して、専門的な立場からアプローチします。そのため対象はアスリートに限らず幅広く、近年では加齢により関節の動きや筋力に課題を抱える高齢者も対象として多く数えられています。

 理学療法士は資格取得の前提として、身体の構造や運動のメカニズム、起こりうる疾病や怪我に関する病態や、それらの主たる治療法について広く学んでいます。そのため医師を始めとする医療従事者との連携も密に求められます。

理学療法士自身が施す治療は主に運動療法で、選手や患者の動作をアセスメント、それに基づいて身体の動作が正常に動くよう、骨や筋肉などを正常な位置に戻したり、ほぐしたりといった対処を行います。

本格的な設備の無い場所で活動する場合も、こうした施術・治療は比較的行いやすいため、スポーツの現場では適していると言えるでしょう。なお病院や診療所といった、医師が常駐しているような場であれば、医師の指示のもと電気治療や温熱機器を使っての治療、リハビリも可能です。

スポーツトレーナーと理学療法士の違いは?

ではスポーツトレーナーと理学療法士は何がどう違うのだろうか?まずはっきりとした違いがあるのは、「国家資格」であるかというところになるでしょう。

トレーナーは他でも触れているように資格が無くても名乗ることができるが、「理学療法士」と名乗れるのは試験に合格して国家資格を取得した人のみです。

すなわち、理学療法士として働きながらスポーツに対する知見やリハビリテーションのノウハウを身に着けて「スポーツトレーナー」として活動することは可能ではありますが、その逆は成立しないということでもあります。理学療法士の場合、医師の指示があれば医療行為も行うことができ、一般的なトレーナーが行うようなケアやサポートに加えて、治療への介入も幅が広がるのは大きな違いと言えるでしょう。

自分はどちらを選んだらいいだろう?考えるときのポイントは?

それでは、スポーツトレーナーを志す際に、自分はどう選択をするべきなのだろうか。これについて考えるに当たって、重要なポイントは「活躍したいフィールド」、「中長期的なキャリアプラン」です。

競技だけでなく、施述の対象者など、どのフィールドで活躍したいかが具体的になると、その領域の厳格さや、求められるスキルによって、資格を取る必要性があるのか、それとも実践歴が長い方がいいのかが明確になるだろう。また、中長期的に、どれまでを守備範囲として持ちたいかを決めるのも良いと考えられます。実際にどう言った人生を歩んでいきたいのか、成し遂げたいこととタイミングを中長期的に考え、逆算しながら必要なものを洗濯していくことをお勧めします。

また、自分で考えるだけでは、難しいこともあるでしょう。その場合は、すでに現場で働いているトレーナーにヒアリングしたり調べてみたりするのも有効です。

もしより広い興味をお持ちなのであれば、理学療法士に限らずトレーナーのような仕事に関連する資格は複数あります。自分の働くイメージがついてきたら、それにつながる資格にはどんなものがあるか調べてみましょう。

そして最も重要なことは、資格が”全て”ではないということです。

体系立てて学んだ証であり、施術を受ける側へ安心感・信頼感を持たせてくれる資格。しかし、それが取れたからと言って、本当に活躍できるのかと言ったらそうではありません。

個人のスタンスや、他の学び、自身が何を求めているか、それと今実施していることが合っているのかがより重要です。改めて自身を見直し、本当に目指しているものを具体的に考え出しましょう。