「アスリートフードマイスター」という資格を聞いたことがあるだろうか?資格にあまり興味が無い人でも、押切もえさんや佐藤ありささん始め、アスリートの奥様が取得して知ったという人も少なくないだろう。厳しい競技生活を支える上で食事やその栄養バランスが大事であることは周知されてきたが、果たして「アスリートフードマイスター」とはどんな資格なのだろうか?
アスリートフードマイスターとは
アスリートフードマイスターとは、一般社団法人日本アスリートフード協会が認定する民間の資格。公式サイトには資格の定義について次のようにある。
“アスリートのパフォーマンスを最大化するために、年齢別・競技別・タイミング別に、最適な食プログラムを提供する人材です。”
(https://athlete-food.jp/index.php)
資格取得を通して専門的な知識を身に着けることで、自身の身体づくりやパフォーマンス向上のための食事管理ができるようになることはもちろん、「いつ」「何を」「どのように」食べたら良いかをわかりやすく伝えることができ、競技者のサポートにつながる。
よって、アスリートはもちろん、アスリートをめざすお子様を食でサポートしたい親御さん、これまで競技活動に関わりが無くても食とパフォーマンスの関連などに興味がある人まで、幅広く受講されているようだ。
アスリートフードマイスターの資格体系
(出典:https://www.athlete-food.jp/cp/pamph/)
「アスリートフードマイスター」には知識習得の深さに応じて3つの級があり、3級、2級、1級の順に難易度が増していく。
3級は「スポーツのための食事学」の基礎知識を中心に学び、身に着けた知識を自分や家族の食生活に役立てることをめざす。カリキュラムは、目的に合わせた食事の考え方や摂取のタイミングについて学ぶ「アスリートフード学」、食材の選び方や食品の持つ機能について学ぶ「フード・チョイス」、食事改善計画を実際に立てていく「フード・プランニング」、モチベーションを高める伝え方や目的別の献立を学ぶ「アスリート・レシピ」から成っている。
以上の4科目を1.5時間ずつ受講し、修了試験に合格すると晴れて資格取得となる。3級であれば合格率約85%と、比較的敷居は低いと言えるだろう。
アスリートフードマイスターになるには
では「アスリートフードマイスター」の資格を取得したいと思ったら、どのようなステップを踏めば良いのだろうか?まず3級の場合、受講の仕方には「通学制・地域校」「通信制(WEB版)」「通信制(DVD版)」の3パターンがある。つまり近くで開講予定が無くても、自宅で受講~受験までを完結させることができるのだ。
2級においても通信制があるが、1級は通学制のみで年4回の開催となっており注意が必要だ。修了試験で仮に不合格となった場合も追試験の制度があるが、受験料がかかってしまう。アスリートの食生活を支える立場としての自覚を持ち、受講内容をしっかり復習して試験に臨むといいだろう。
晴れて資格を取得できると、「アスリートフードマイスター」としての肩書きを手にすることができる。家族や身近な人のためにバランスを考慮した食事を振る舞うことでパフォーマンス向上に貢献したり、アスリートへの食事アドバイスも専門的な見地から行えるようになるだろう。
そうした経験を積む中でセミナーや講演の機会を得る人や、飲食店や食品メーカーのメニュー及び商品開発に携わる機会も出てくるかもしれない。
近年注目を浴びる分野だけに、「資格を取ってすぐ活躍」というケースは稀かもしれないが、自身のありたい姿やめざすフィールドを明確にして努力すれば、道が拓けるチャンスは多分にあるだろう。資格取得者が参加できるセミナーや交流会も、インプットやモチベーションの向上におすすめだ。
より良い競技生活・競技サポートに向けた第一歩を
従来に比べてアスリートのパフォーマンスと食生活の相関については関心が高まってきたものの、まだ後手に回っている競技者やチームがあるのも実情である。
インターネットで検索すればたくさんの情報が出てくるのもまた事実だが、エビデンスが十分でなかったり、偏った見方をしたりしたものも散見されるため、「アスリートフードマイスター」を始め資格取得を通じて体系立てた学びを得るのも必要な機会だろう。
プロに限らず運動に励む人は身近にもたくさんいる。自分にできることを増やしたいと思った人は、早速詳しく調べてみるといいだろう。