最近、「eスポーツ」という言葉をよく聞くようになった人も多いかもしれない。一方で、どのようなものかをわかっている人はどれだけいるだろうか?スポーツなのか、ゲームなのか・・・世界大会の話や、賞金総額が膨大であることを見聞きした人もいるかもしれない。昨今、実は新たなビジネスチャンスとしても注目を浴びている。今日は「eスポーツ」について詳しく見ていこう。
eスポーツとは?
eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称。PS4・Nitendo Switchなどのコンシューマー(一般消費者向け)ゲームやPCゲーム、スマホゲームで競技することを指している。1970年代には日本でも全国規模のゲーム大会が開催されていたが、eスポーツの原点となるような、賞金をかけた大会はアメリカから始まったとされている。
アメリカでは1997年に「サイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ(CPL/米)」が設立され、その翌年に賞金制の大会を開催。これにより、プロ化の流れが本格始動した。
日本におけるeスポーツの現状
日本でも2000年頃にはプロゲーマーが誕生していたが、認知される機会も限られており、長続きしなかったと言われている。その空気に変化を与えたのが、ウメハラさん(本名:梅原大吾)が米国企業とプロ契約を締結したこと。「日本人初のプロ格闘ゲーマー」としてメディアにも取り上げられ、日本でも「eスポーツ」や「プロゲーマー」が次第に認知されるようになった。
2018年に「日本eスポーツ連合(JeSU)」が設立。翌年の2019年には新たなeスポーツ団体「日本esports促進協会(JEF)」が設立され、日本でも「eスポーツ」の普及が加速に入った。かねてからの障壁として日本では景品表示法の取り決めがあり、ゲームの価格の20倍または10万円までしか賞金を出すことができなかった。しかし最近では「賞金」ではなく「仕事の報酬」として支払うことで、景品表示法違反をうまく回避。日本でも「RAGE」のような何千、何億の高額賞金のeスポーツ大会が開催されるようになり、現在はスポンサー企業も増えている。
国内のeスポーツに関する最近のトピックス
国内外を問わず、eスポーツは大きな変化の渦中にある。その事例を数点ご紹介する。
- 企業が次々にスポンサーとして参入
現在自動車メーカーでは、TOYOTAやスバルといった大手自動車メーカーがスポンサーとして名を連ねたり、ベビースターでの認知もあるおやつカンパニーやRedbullなどの参入も著しい。
この背景としては、eスポーツのファンが現在約400万人ほどいると言われており、2022年には786万人に上ると言われています。この市場の成長可能性と、熱狂度に先んじて張る企業も少なくはない。
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2. ざわちんなど芸能人の参入
現在、eスポーツのチーム「AROWZ BROS.」の総監督も務めるざわちん。自身でチームの指揮をとるまでeスポーツに熱狂している。今後も同様の芸能人が参入するパターンも増えそうである。
・高校生の大会
高校生クイズや、冬の高校サッカー選手権、夏の甲子園などに続いて、eスポーツ高校選手権も誕生した。世界的なeスポーツ人気の高まりを受けて、オンライン開催にも関わらず、去年を大きく上回る1,779校、5,555人が大会に参加というのだから驚きだ。
eスポーツに業界に今後起きうることとそれに伴うチャンス
そのポテンシャルの高さから注目度が非常に高いeスポーツ。まだまだ競技者数は少なく、その市場規模の見積もりも他のスポーツに比べると極小だ。しかし、その熱狂度は、他の競技をはるかに凌ぐものがある。
この熱狂度の潜在的な市場の成長可能性に魅了され、今後どのようなことが引き起こされるのだろうか。
- 大手企業のスポンサー度が頻出する。
大手の参入が目立つようになってきたとはいえど、まだまだ他競技に比べるとごく少数である。しかし、今後、事例が続くことにより、見参入の資本が大きく動くことは間違いないだろう。事実、大会賞金などすでに他のメジャー競技をはるかに凌ぐ額になっていることから明らかだろう。 - ゲーム関連事業の市場拡大
ゲームのソフトウェアが注目されがちであるが、今後より一層の周辺産業の盛り上がりが注目される。例えば、ゲーミングチェアやデスク、また目薬などeスポーツを競技としてアップデートさせる周辺産業の盛り上がりにも注目したい。 - 健康問題
エンタメとしての側面だけではなく、競技者は健康的な側面を気にしながら取り組まなければならなくなるだろう。競技の高度化は、少なからず体への負担も相関関係にある。よって、周辺の支える側の市場規模はもちろん、重要性は確実に向上するだろう。
国内外の動き、他業界の巻き込みに目が離せない
今後、eスポーツは現在にあるスポーツの中で、もっとも未開発であり、もっともポテンシャルを秘めた競技の一つであるといっても過言ではないだろう。
多くのマスメディアで報道されるように、ここまでの熱狂度ははるかに他競技を凌ぐものがある。
だからこそ、今後の他企業の関わり方、個人としての関わり方が、より一層注目される。
また、未開拓だからこそ、未開発だからこそ、新しく参入するメリットも早ければ早いほど享受できる。ぜひ今一度、eスポーツの可能性を真摯に考えつつ、自身の関わり方や市場の成長曲線にどう自分が影響を与えられるかについて考えてほしい。