スポーツに取り組んだ経験がある人の中には、怪我やコンディション不良の際、トレーナーの存在に助けられた人も多いだろう。怪我をして初めて病院やリハビリのお世話になるというケースがおおよそを占めていた従来から、近年では予防やパフォーマンス向上の観点からトレーナーが早期に関わることも増えている。
そういった機会の増加から、スポーツトレーナーを志望する人も増加傾向にある。それでは、自分自身も将来はトレーナーに・・・と思っている場合、どうしたら夢に近づけるだろうか?
スポーツトレーナーになるために、最適な学び舎はどこか
日本国内では、スポーツトレーナーになるために必要な資格は定められていないのが現実。そのため、大学はもちろん、専門学校や通信教育などでも、トレーナー養成のプログラムは多数存在する。実際ウェブで検索してみても、様々な種類の情報が出てきて困った人も多いだろう。
ではそのうちいずれかで勉強や実技を重ねて卒業できたら、必ずトレーナーとしての道が約束されているのだろうか?というと、答えはNoである。それだけ教育機関があるということは就職を志望する人が多いことはもちろん、現場で一人前のトレーナーとして活動するには、対象の競技に対しての専門知識や、臨床で最適解を見極めて手技として施すだけの力が求められる。特定の資格所持や実務経験を採用条件に掲げるチームもあることは、まさしくその表れだろう。
すなわち学校に行き知識や技術を習得すること自体がゴールではないが、フックとなる教育機関には主に下記の3つがある。
・大学・・・学費や卒業までにかかる年数(時間)が一番長い選択肢となるが、その分野の権威と言われるような教員や貴重な文献などとも接点を持てる可能性が高く、じっくり高みをめざして勉学に励むことができる。海外の大学と提携しているケースや、大学・学部のプログラムの一環で留学できる場合もあるため、国際的な活躍をめざす人にとっても望ましい環境だ。
・専門学校・・・自身が取得すると決めた資格や、めざす職業がはっきりしている場合は、大学よりも短い時間で知識と技術を詰め込める専門学校が選択肢となりうる。大学に比べて進路選択に幅が無い可能性もある一方で、学校とのパイプが太いクラブや企業には就職しやすいケースもある。
・独学・・・昨今はトレーナー分野についてもインターネット上にたくさんの資料や動画が上がっており、独学を積み重ねやすい環境にはある。もちろんそうしたリソースを最大限に活用し、自分が関わっているチーム等に生かすことは望ましいが、職業として十二分なレベルの知見を習得するにはかえって非効率な場合も考えられる。あくまで補完として考えるのが無難だろう。
5種類のスポーツトレーナーを解説します
スポーツトレーナーと関わったことがある人でも、その種類が5つもあるというのは驚きかもしれない。実際は役割が重なり合うような側面もあるが、アプローチの仕方や注力するポイントが異なるのもまた事実で、ぜひ自身の興味や志向にあったものにチャレンジしてほしい。
・アスレティックトレーナー
主に怪我の対応やケガから復帰までのサポート、また故障やアクシデントの予防などについて情報提供やケアを実施する役割を果たし、選手が安全に競技するためのサポートを行います。また日々の健康管理も重要な役割となります。ATCなどの資格などを有する必要があります。
・メディカルトレーナー
整形外科などの医療機関に勤務しつつ、負傷をおった人の運動機能を回復させることが主な役割。スポーツ現場中心の「アスレティックトレーナー」と仕事内容は似ていますが、特に医療機関に所属し、医療的側面からのアプローチが多いことが「メディカルトレーナー」の特徴です。
・コンディショニングトレーナー
試合や練習前後に選手のコンディションを整えることで競技パフォーマンスを最大限に引き出し、良い結果を出すサポートを行うことを大きな役割として担います。どの筋肉をどのように鍛えればベストなパフォーマンスを出せるかなどを考えてトレーニング計画を立て実行する役割です。競技や選手の特性を踏まえ鍛える箇所や、そのペースを設計します。また、疲労回復等に役立つストレッチやマッサージの技術が不可欠と言われています。
・ストレングストレーナー
「ストレングス」とは「強さ」という意味をもつように、選手の体力向上や身体的機能を高めることを目的に、トレーニングメニューの作成やトレーニング方法の指導をします。解剖学や生理学、栄養学など身体の基本的な仕組みや機能、スポーツに関する幅広い知識を備えなければなりません。
・フィットネストレーナー
一般のスポーツ愛好家の方に対してトレーニングを行うことが多い「フィットネストレーナー」。フィットネスクラブやジムに通う方を対象に、運動指導や基礎的な筋力トレーニング、ストレッチ、マシーンの使い方など指導します。健康需要の高まりから、ニーズが急増しています。
誰に学ぶか、”どこ” で “どのよう” に現場経験を積むかを考えよう
スポーツトレーナーという職業を漠然と考えてきた人も、ここまで読んで目標が少しずつはっきりしてきたかもしれない。実際学んだり現場に出たりして感じることやシャープになるものもあると思うが、可能性も大きい一方でライバルも多いことから、知識の習得や現場とのコネクションは早いうちに持っておいて損はないだろう。
WPP(World Player Project)では世界で活躍する人材の育成をめざして、トレーナー領域を志す人を積極的に募集中。少しでも興味を持った人はぜひ説明会に参加してみよう。