東京オリンピックこそ不測の事態で延期となったものの、スポーツの話題は勇気や希望となって老若男女に力を与えている。そうしたシーンを見て、自分も将来はスポーツに携わる仕事をしたいと思う人も多いのではないだろうか?
実際問題、多種多様にあるスポーツの仕事だが、おしなべて待遇面は芳しくない聞いたことがあるかもしれない。もちろん“好き”という気持ちでカバーできる範囲もあるかもしれないが、実態としてどの程度なのだろうか・・・?
本稿では、そんな疑問を払拭すべく、2020年の最新のスポーツ業界の年収ランキングをご紹介する。
大手メーカーは高収入、対してプロクラブスタッフは・・・?
「スポーツ業界」と一口に言っても様々な企業が存在し、当然環境や待遇も各々異なる。給与面で比較的高い水準が期待できるのは、大手スポーツメーカーだろう。昨今の海外展開の動きから語学力など求められるものも大きいが、就業環境も整備され、部署移動を通して様々な仕事を経験できるチャンスも多い。「業界動向」によると平均年収が高いメーカーは下記の通り。
スポーツメーカー
1.株式会社シマノ 827万円
・・・株式会社シマノは、自転車部品と釣り用具の製造を主要事業とするアウトドアスポーツメーカーである。スポーツ自転車部品の世界最大手企業である。
2. 株式会社アシックス 701万円
・・・言わずと知れたシューズやウェアなどを中心に製造販売しているスポーツメーカー。神戸に本拠地を置き、近年、ヴィッセル神戸に所属するイニエスタ選手をスポンサードをして最新モデルのサッカー用スパイクでは、本人モデルのスパイクを作成するなど直近の話題性も強い。
3. グローブライド 683万円
・・・グローブライド社は、釣り具などのを製造販売するメーカである。東京都東久留米に本拠地を構える。
フィットネスクラブ
フィットネスクラブの仕事の平均年収は約398万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。
月給で換算すると33万円、初任給は21万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ963円、1,350円となっています。
正社員の給料分布を見てみるとボリュームが多いのは361〜422万円の水準で、平均年収の398万円もこのゾーンに含まれています。
全体の給与幅としては300〜787万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。
プロスポーツクラブは?
一般的に同じスポーツでもカテゴリが上であるほど給与面も恵まれていることが多いが、最近ではカテゴリ問わずに大手企業がバックアップしている場合も多く、待遇面が恵まれているケースもある。例えば同じクラブのスタッフでも、クラブに採用された人と、スポンサー企業から出向している場合とでは給与体系が異なる。総じて一概には言えないが、月収で18万円程度からスタートし、年収で400万円前後を目安にするのが無難だろう。
その他
そのほか、採用人数は限られているが、体育教師や公共施設の管理運営等の場合、公務員と同等の給与が得られることから、中堅ともなると700万円前後の年収が見込まれるとも言われている。学齢によっては部活動の顧問などもあり、労働環境として恵まれているとは限らないが、待遇を求める上での選択肢にはなるだろう。
メディア関連で言えば、大手スポーツメディアの版元に就職できればある程度の安定は見込めるが月収は20万円前後から、またフリーで活動しているスポーツライター・スポーツカメラマンとなると歩合制のため、実績を築くまでには地道な戦いを強いられる。審判や指導者によっては、それだけで生計を成り立たせるのではなく、兼業している場合も多い。
アフターコロナでどう変わる?
新型コロナウィルスの影響で良くも悪くも、大きく変化が生まれている。スポーツチームは、スポンサーやチケット収入以外にも、軸となる事業を求めるようになり、従来に比べオープンマインドで、他者とのシナジーを模索するようになった。また、それ以上に、スポーツの可能性を最大化すべく、スタートアップや、ベンチャー企業で新たなスポーツ事業を手掛ける初めているところも増えている。
投げ銭や、ファンタジースポーツに代表されるように、新たなスポーツの楽しみ方を追求する企業も増えている。
その中で、各企業内での働き方も大きく変化が生まれている。しかし、まだまだ改善すべき箇所は多く、しばらくは厳しい財布事情のなかでタフな働きが求められるだろう。
また、業界としては、2021年に延期された東京オリンピック、そしてそれを経た国内外の動きにどうついていくかが争点となりそうである。
報酬もステップアップも自分次第。自ら道を切り拓く人材へ
見てきたように、一口に「スポーツ業界で働く」と言っても、報酬やステップアップは千差万別であり、一般的に給与は高くないとこそ言われているものの、組織で目を見張る結果を出したり、ニーズの高いサービスを具現化したりすることで、いかようにでも収益や可能性を広げられる。
すなわち、自分次第だ。入り口は決して広くないかもしれないが、自分から進んで道を切り拓く心意気で、今日から早速できることを始めてみよう。
また、本稿の中では、スポーツ業界の中でもビジネス的な側面が非常に大きな割合を占めていたが、トレーナーであったり、栄養士のような専門職となるとその間口も広くなる。
共通して言えることは、自信を高め、要される人材であり、要される場所を見つけることができれば、自身が求めるレベルや給与水準で働くことも可能である。
自身の将来のためにも、実力やそれを活かすための外部環境を選びつつ、自身の今後を考えて行って欲しい。