2020年、コロナ禍であらゆるスポーツが想定外の対応を強いられているが、それをビジネスとする各スポーツチームは逆境に負けまいと様々な企画を講じている。昔からスポーツをしていたり観戦に馴染みがあったりする人にとっては、「自分もスポーツの試合や選手イベントを企画する側になってみたいな」と思ったこともあるかもしれない。実際に体験できるインターンシップについて今日は詳しく見てみよう。
スポーツチームの仕事とは
そもそも「スポーツチームの仕事」と一口に言っても、様々な職種があり、総力でビジネスを成り立たせている。競技へ取り組むコートスタッフ(監督、コーチ、選手、トレーナーなど)だけでなく、フロントスタッフと呼ばれるポジションには経営、営業、広報、育成…など多岐に渡る役職がある。多くの場合、限られた財源で人件費をまかなう必要があるため、一人ひとりがいくつかのタスクを兼ねている場合も多い。
スポーツチームにとって試合という興行を成り立たせることが大きいタスクとしてあり、これには付随して会場の確保やチケット販売、そのための告知からSNS等での盛り上げ、当日イベントの企画から景品準備と、ここには書き切れないほどの業務がある。また、試合がなければ何の仕事も無いかというとそのはずもなく、選手育成のためにスクールを運営したりスカウティングに出向いたり、地域のイベントに参加して交流を深めたり、ファンの心をつかむようなグッズを企画販売したりしている。
大学や専門学校を出てすぐにそうした現場へ就職する人も少なからずいるものの、他業界で社会人経験を積んでから中途で入社するケースが多い。もちろんスポーツチーム・スポーツビジネス独自の観点や、しきたりもある一方で、“ビジネスとして”すなわち“利益を生み続けるべき組織”を営んでいくには一般企業で積み重ねた経験やスキルが役に立つことも多い。ただ「スポーツが好き」というだけにとどまらず、様々なバックグラウンドを持った人が一つのチームに集まることで、多彩な企画や従来よりもスケールアップした営業活動などに繋がるわけだ。
インターンシップは実施している?参加すれば就職できる?
スポーツチームへの就職を考えている人の中には、インターンシップやアルバイトなどの形で、試しに経験してみたいと思う人もいるだろう。チーム側としてもフレッシュな戦力や既存にとらわれないアイデアを求めていることもあり、数は多くないが募集している場合もある。そうした募集は定期的に回ってくるというよりも、突然出てくることも多く、志願するチームがある場合はこまめにお知らせをチェックしておくといいだろう。なお対象は大学生・専門学生に限られていることが多く、社会人の場合はアルバイトや試合当日のボランティアを探してみるといいかもしれない。
例(過去の募集記事を含む):
アースフレンズ東京Z
ジェフユナイテッド市原・千葉
FC大阪(オンラインインターンシップ)
インターン中の仕事ぶりを通して顔を知ってもらえたり組織にとってのプラスを残せたりすれば、将来的な就職につながる場合もある。ただ、「場合もある」という言葉通り、実際は一足飛びにいかない場合も多い。裏を返せば、仮にインターンに参加することが難しい場合でも、別の場所や形で経験を積んで「あなたのチームに入ればこの貢献ができます」「これなら任せてください」と言えるスキルや強みが育てられれば、即戦力としてのチャンスは広がるだろう。
まず行動をしてみること。可能性を見極めるのはそのあと
スポーツチームへの就職を考えている人の中には、「実際の現場はどんな感じなのだろうか」「自分には向いているだろうか」と頭の中で考え続けている人もいるかもしれないが、考えたり調べたりして解決する範囲には限りがある。
必ずしもインターンシップ等で経験できるとは限らないものの、アンテナを張っていると様々なワークショップやイベントが開催されていることがわかるだろう。ぜひ積極的に行動を起こして、インプット・アウトプットの機会を持ち、そのうえで「自分はこの先何をしたいのか」という問いを改めて考えるといいだろう。