フィットネスクラブの市場規模と今後の動向とは!

近年は、健康ブームでフィットネスクラブを利用する人が多くなってきている。主要なプレイヤーが増え、フィットネスクラブといえど、種類が多くなり、ひとえにフィットネスクラブとまとめることが難しくなっている。

例えば、フィットネスクラブ、スポーツクラブ、スポーツジム、アスレティッククラブ、ヘルスクラブ、フィットネスジム‎など、場所の呼称でさえ、様々である。

上記のように、定義の属人化によるセグメントの不明確さもあってか、なかなか市場を正確に把握する事は難しい。

したがって本記事では、健康ブームを支えるフィットネスクラブの市場に関連するリサーチ情報をお伝えする。

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成長市場!?フィットネスクラブの市場規模とは?

現在、フィットネス業界の市場規模は、2018年時点で、3,582億円と言われている。(業界動向.com)

成長率が著しく高く、年7.3%と高い水準で推移していることからもわかるように、今後のさらなる市場の成熟が見込める領域と言えるだろう。

また、日本の場合、クラブ数に対する会員数ならびに参加率が他の国に比べ低いことが、課題としてあげられる。会員数と、参加率の向上が、市場規模の拡大には必須の事項だと言えるだろう。


出展:IHRSA『GLOBAL REPORT』ほか。日本の売上高は1$=¥100換算

フィットネスクラブの運営形態

フィットネスクラブには、フィットネスクラブをもともと運営していない会社や組織が、外部のリソースを使って運営を行う業務委託型運営、ルネサンスのように自社で運営をする直型運営、既に有名なフィットネスクラブの看板を借りて自社で運営を行うフランチャイズ型運営など、様々な運営形態がある。

例えば、少し領域は異なるが、Dr.ストレッチはフランチャイズ運営をメインとしており、全国に140店舗以上を出店している。

どの運営形態を取ることが良いとされるというような話ではないが、自身がもしフィットネス業界で働くことに関心があるのであれば、どの形態が自分のやりたい方針に近いのかを考えて見定める必要がある。

要するに、上述した3つの運営形態によってメリット・デメリットが大きく異なるため、事前に把握しておく必要がる。

下記がその一例である。

(業務委託型運営)

メリット  経営リスクが低く運営することができる

デメリット  委託元が事業の舵をとるため急な閉鎖などもあり得る
       規模を自社都合で拡大することができない

(直型運営)

メリット  自由度が高く運営を実施することができる

デメリット かなりの経営リソースを割く必要がある
      全てを自社で賄わなければならない

(フランチャイズ型)

メリット  フランチャイジーが獲得できればすぐに売り上げにつながる
      成功事例が生まれれば多店舗展開しやすい

デメリット フランチャイジーによる悪影響を受けやすい
      属人性を一掃する、一貫した教育システムが必要

運営体制によって、経営なのか運営なのか、それとも市場に対してなのか、ユーザーに対してなのか、メリット・デメリットが出現する。これもひとつ検討の材料に入れてみてはどうだろうか。

フィットネスクラブの10年後の未来とは

各社に共通して見られる特徴は、高年齢化が進んでいることである。

セントラルスポーツやルネサンスでは、ここ5年の間に50代以上の会員が半数以上を占めるまで上昇している。

成果志向型ジムを運営するRIZAPでも50代以上の会員比率は、2016年1月の13.8%から2017年4月の22.4%まで上昇している。(Newspicks参照)

以上が国内市場の概況だが、米国と英国を比較対象として考えたい。売上高の規模を見ると、日本はアメリカの約6分の1、イギリスの3分の2の規模でしかない。

人口比で考えると、アメリカが約3.2億人、イギリスが約6,500万人であるため、日本の市場規模は人口の約1.2億人に対して非常に小さいのが現状である。

売上高成長率は、2010年から2015年の年率平均成長率(CAGR)で日本が1.1%、アメリカが5.2%、イギリスが3.3%である。現状、3-5倍ほどの差が顕著に出ているのだ。

また、日本の市場規模が小さい最大の要因は、参加率が低いことにあると言えるだろう。

もちろん会員数増加による売上の上昇は見込めるが、今後持続的に産業が成長していくには、会員の参加率をあげ、習慣化させることが必要である。

ターゲットを明確にした料金体系やサービスの充実を実施することなど、施策ベースでは進められているが、特に日本では利用者当たりの会員費が高いことが特徴としてあるため、低価格ジムの出現に機会が存在するのではないかと思われる。

また、オンラインフィットネスの存在は、見過ごせない。新たな市場を学んでみる感覚で、オンラインフィットネスにも注目してみよう。

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